ゴミ屋敷のよくある悩みを解決
東京からニューデリーまで、都市住民の生活を曇らせているスモッグや公害を考えると、このまま進んではいけないという認識が、アジア中の各国政府で出てきているようだ。
具体的な例が、風力エネルギーで世界のリーダーの一つとなったインドだ。
アジアには地球人口の半分以上が集中している。
大企業にも中小企業にも、敏捷にニッチ(誰も目をつけていないビジネス)を狙う企業にも、活躍の場が十分にある巨大市場である。
しかし、素早く行動を起こすことが肝要だ。
それは、最も重要なのは課題である経済の再構築を支えるためだけでなく、先見性のある他社が動き出すまえに、ビジネスチャンスを手中に収めるためでもあるということだ。
化石燃料を中核とする経済で、主要企業に名を連ねる多くの企業が将来生き残るためには、それらの企業自らが生まれ変わらねばならない。
第一部で、B・PやS・E等の主要石油会社が、太陽発電工場に大規模な資本投下を行う決定をしたと書いた。
これらの企業は、自分たちを徹底的に作り直している最中なのである。
かつての「石油会社」が、「エネルギー会社」に生まれ変わっている途中なのだ。
同じ意味で、自動車メーカーの多くが、自分たちを「車のメーカー」ではなく、「機動性を提供する企業」とか「交通輸送企業」と考えるかもしれない。
「石油会社は永久に石油会社でいなくてはならない」「石炭会社はいつまでも石炭会社でいるべき」理由など一つもない。
自社の持てる資源を使って、太陽や風力、地熱、水素などのエネルギー分野に参入することもできる。
自動車メーカーは、大気汚染を起こして健康を害したり多量の化石燃料を使用して気候変動を起こしたりしないシステムを作り上げる中に、自社の役割を見つけられるはずだ。
世界がますますめまぐるしく変化するようになると、自らを作り直す方法を一番よくわかっている企業が、最も競争力をつけてくるだろう。
こうなってくると、世界の大企業のいくつかは、極めて大きな難問に直面することになるだろう。
しかし、有り難いことに、新しいタイプの経営者が、世界のあちこちに出現しつつある。
この新しいタイプの経営者にとって、「エコロジー」は知らない言葉とか敵対する言葉ではなく、企業がより合理化し効率を高めていく動きを励ますチャレンジを意味する言葉である。
アメリカのM社のR・Sは、そのようなビジネスリーダーの一人で、彼は「システムそのものを変えなくてはならない」といっている。
Mは現在、大がかりなリストラを行い、経営戦略を立て直しているところだ。
Mは、もともと殺虫剤などの化学物質のメーカーであるが、最近化学部門を売却し、いわゆる「ライフサイエンス企業」への変革に力を注ぎ始めている。
具体的には、害虫や病気に強い作物品種の育種などに焦点を当てている。
それによって、殺虫剤が必要な理由の根源に対処しようとしているのだ。
Mは遺伝子工学を用いて育種を行おうとしている。
ある植物種から別の植物種へ遺伝子物質を移すことは、それはそれで問題があるかもしれないが、Mの経営陣は、殺虫剤をいつまでも使用するよりもこの方がリスクが小さいと考えている。
Mは水不足などの今後起こってくるであろう環境問題を取り上げ、この問題の解決のために、自社の資源をどう効果的に活用できるかを考えている。
一つわかったことは、自社の植物育種に関する専門知識を用いれば、今より日照りに強い作物品種を開発できるということだ。
つまり、水をもっと効率よく利用できる品種の開発だ。
これは、今後水不足のせいで食糧が十分に生産できなくなるときに、大きな手助けとなるだろう。
もともとは化学会社だった企業が、汚染と食糧問題の両方を地球規模で解決する手助けをするということになるのかもしれない。
Sは、持続可能な将来を視野に入れて自社の進路を考えない企業は、時代から取り残され、もっと先進的な企業に吸収されて消えていくだろうと考えている。
水質浄化等に携わる日本のF社長は、MのSと同じようにきっぱりと断言している。
F氏は、「環境に化学物質を次から次へと吐き出し続けるなら、安全でクリーンな飲み水を提供することはまったく不可能になるだろう」といっている。
「人間が使えるように水を安全にしておける唯一の方法は、最初から汚染しないことしかない。
つまり、経済を作り直すということだ」と、彼は述べている。
日本の企業は、太陽電池の分野で非常に有利な立場にいる。
前述したように、7万軒に太陽発電装置を設置するという、国の計画が最近始められたことで、日本企業は世界のどこの市場でも切り拓けるほど、競争力の強い立場に立てるはずだ。
同様の状況が、以前デンマークにも見られていた。
政府の政策と企業への奨励策によって、デンマーク企業が風力エネルギー分野で、世界のリーダーになれる設定ができたのだ。
デンマークの例をみると、小さい国や小さい企業でも、世界のリーダーシップを取れることがわかる。
開発援助を定義し直す必要が出てくるうえ、アジアの国々に地理的に非常に近い日本は、この地域の中心的役割を果たさなくてはならない。
環境に健全な技術に対して対外援助と民間投資を組み合わせることによって、発展途上国が太陽発電の道を歩んでいけるよう手助けすることができよう。
これは世界経済の安定に向けて大きく貢献することになる。
今日の世界では、マスコミの役割も極めて重要だ。
大手のマスコミは、これまでどおりのやり方を続けるという戦略ではもはやダメになってしまうこと、人類の文明の証である技術や社会の進歩が持続できるかどうかは、政策や優先課題を変えられるかどうかにかかっていることを、人々にわからせる責任を負っている。
多くの分野で、政府が先導役を務めなければならないのは確かだが、世界中に必要な情報を発信できるのは、新聞、雑誌テレビ、ラジオ等、世界のコミュニケーションメディアだけなのである。
この意味で、CやBのようなテレビメディアの巨頭や、N誌、Eなどの主要な週刊誌、日本のNのような各国の主要なマスコミ機関は、大きな責任を負っている。
とはいっても、これは「重荷」と見るべきではなく、マスコミにとってやりがいがあり、利益のある役割だと考えるべきである。
これらマスコミ機関のトップは、この責任や役割について積極的に考えていないかもしれないが、必要な規模の変化を押し進めていくための情報発信ツールを握っているのはマスコミだけで、世界が確固たる歩みで持続可能な世界へ向かうとき、大企業にも中小企業にも果たすべき役割と課題がある。
もちろん、大規模なインフラを新規に建設するなど、中小企業には無理な課題もある。
しかし、ほとんどの課題で実は、中小企業の方が有利かもしれない。
中小企業には、融通がきき官僚主義的なやり方をしないという強味があるからだ。
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